三島郡島本町、水無瀬より投稿しています

なぜ鍼を刺す時痛く無いの?

今回もご訪問頂きありがとうございます。

鍼治療に対する最初の壁である「鍼は痛くないですか?」

鍼灸師にとって、これは鍼を刺す時の最初の壁です。

僕もどう答えたら鍼が痛くないって事が伝えられるのか課題でもあります。

実際の鍼

 

痛くない理由の一つは管鍼法(かんしんほう)を用いているからです。

中国鍼は鍼自体が太く痛みが出ることが多かったので、敏感肌の日本人に普及しませんでした。

管鍼法と鍼の形状を説明していきます。

最初は絵で説明します。

治療で使う鍼の絵

この先の部分がどうなっているのかを説明します。

ハリと聞けば「注射針」をイメージされる方が多いかもしれませんが、実は鍼灸のハリと注射針は先端の形状が全然違います。

鍼先を拡大した絵

髪の毛のような極めて細いステンレス製 or 銀製の鍼(長さ約15mm~90mm、太さ直径約0.10mm~0.30mm)を用いて、身体に刺入します。

鍼をする時に痛みが出るのは「切皮する時の鍼のズレ」「切皮のスピード」が関係します。

※切皮(せっぴ)とは鍼が皮膚を通り抜けることです。

鍼を刺入する時にズレないように鍼管(しんかん)を使って、素早く鍼を刺します。

鍼を刺す時は、鍼管に入っている鍼の上から出ている部分(鍼柄:しんぺい)をトントンと叩きます。

鍼を刺すところ

※鍼先で皮膚を破りますが、日本では主に管鍼法(かんしんほう)で刺入します。管鍼法とは、江戸時代前期に杉山和一により創始されました。この方法が普及したことにより痛みを感じさせず、鍼を刺入することが可能になりました。

 

実際の鍼

もう少し詳しく知りたい方は過去の記事を覗いて下さい。

 

注射針は皮膚に沿わせて切る感じで刺入します。
注射の針のイメージ

鍼灸の「鍼」と注射針の「針」との違いは分かってもらえたと思います。

実際に当院で鍼を刺入する場面

また、実際に針を刺入している場面をみると鍼が揺れているのが分かると思います。

この「しなり」が鍼の痛くない理由の一つと考えられています。

日本の鍼の品質はトップクラスです。鍼もとてもよくしなります。

痛みも出にくいだけでなく、体の中で折れたりすることもありません。

太さの比較

ちょっと気になるので、太さの比較をしてみましょう。

鍼灸治療では、からだに鍼を刺す方法が一般的です。

鍼を刺す行為で「痛いかも」というイメージを持たれる方おられると思いますので、太さの比較をしてみました。

太さの比較の図

種類にもよると思いますが、注射針の太さは約0.7~0.9mm

鍼灸の鍼は約0.10~0.34㎜なので、注射針の3分の1くらいの太さです。

鍼が痛い時は?

鍼が「痛い」と感じてしまう時

どれだけ注意しても、時に鍼が「痛い」って思うときが有ると思います。痛い時は「痛い」と言ってもらった方が良いです。

●鍼が毛穴に刺さってしまったとき

治療時に最新の注意を払いながら、患部やツボに鍼を刺入しています。

しかし、たまたま鍼が毛穴を刺してしまった時は痛みを伴います。また、鍼が毛を巻き込んで刺さってしまった時などは痛みを感じる場合があります。

●鍼を皮膚下で動かしたとき

皮膚下の必要な深さまで刺し進めるときは、チクチク痛いのではなく「ずーん」っと重くなる刺激が出ることが有ります。

鍼灸治療においては「ひびき」と呼ばれる感覚で悪いものではありません。効果的な鍼が入る感覚です。

鍼の経験者なら、からだが温まってきて心地がよいと感じられます。慣れないうちはからだが強張り筋肉がこわばるので「痛い」と感じる方もいると思います。

●鍼に電流を流すとき

低周波の電流を一定のペースで流し続ける治療をすることがあります。

特に痛みをその場から退けたい場合は、当院でも鍼通電を行っています。

慣れないうちは痺れるような感覚が伴い、痛みを感じることもあります。

鍼通電の実際の場面です(鍼通電に慣れている方に協力してもらいました)

鍼通電

●からだに病がかたまっているとき

鍼を受けている方が気づいていない病気や症状が見つかることもあります。

この気づかない病気や症状がある場合は、からだの感覚が敏感になるので鍼の痛みを感じやすくなります。

※鍼が「痛い」と感じる場合がありますが、通常は痛みを伴う治療法ではありません。

鍼が痛くない

●痛みを感じる前に鍼が刺さるから

「管鍼法(かんしんほう)」は上で説明しましたね。

鍼管を使うことで、鍼の痛みをほとんど感じなくしています。

鍼管の上から叩くことで、痛みを感じる前に鍼を刺すことが出来ます。

これはゲートコントロールの応用と言えるかもしれません。

簡単に言えば、痛いところを擦ると痛みが感じにくくなるのと似ています。

鍼を刺す時に別の刺激を体に入力する事で、痛みを感じる感覚の前に鍼を刺入出来るのです。

●ツボを刺激しているから

血液・気・水といったエネルギーの通り道が張り巡らされている場所がツボです。

そこに鍼を刺す事が多いので痛みを感じにくいのです。

ツボを鍼灸で刺激すれば、血行が改善されてからだが持つ本来のエネルギーの流れを取り戻し、症状がやわらぐなどの説明がされています。

東洋医学的な仕組みはこれまで沢山紹介していますので、参考にしてください。

東洋医学の記事

●リラックス効果があるから

慣れてくると特に感じれると思うのですが、鍼をすると痛みを感じるのではなく気分がスッキリするという方が多いです。

ツボの正しい箇所を刺激されると、ストレスホルモンの伝達が抑制され、ストレスレベルが下がると言う報告があります。

英国Oxford学会「Acupuncture Relieves Stress」という記事で報告されました。(Acupuncture:鍼灸、Relieves:和らげる、Stress:ストレス)

「The researchers discovered that stress hormones were lower in rats that had received electronic acupuncture. Results were published in the Journal of Endocrinology.」

英語の記事しか無いので、重要な部分だけ抜粋しています。

英国や米国では、フィットネスや西洋医学の治療に鍼灸治療が取り入れられ、リラックス効果を得て高く評価されています。

フランスなどは美容の観点から、鍼灸をすすめているような動きがあります。これも、鍼灸のリラックス効果に注目しているのだと思います。

世界でも広く鍼灸治療が取り入れられるようになって来ました。

 

●セルフケアも出来ます

鍼でも、最近はシールで貼るだけのものが販売されています。

実際にからだに鍼を刺すのは怖いと感じているなら、「鍼シール」の活用も検討してみるのもいい方法だと思います。

鍼に抵抗がある場合は、金属の粒を貼るタイプやプラスチック製のタイプもあります。

当院で実際に使用している金属の粒を貼るタイプやプラスチック製のタイプを紹介します。

 

マグレインの写真

◆最後に◆

当院では「ディスポーザブル鍼」を使用しています。

「ディスポーザブル鍼」は略して「ディスポ鍼」と言われています。

使い捨てタイプの鍼で、衛生面の観点からも安心して使うことができます。

感染などの観点から、現在では多くの鍼灸院・治療院がディスポ鍼を使用しています。

使い捨てですが、折れにくく丈夫な点が支持されている理由だと思います。

常に新しい鍼を使用できるので、切皮痛も出にくいと思います。

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