免疫力を高めるにはどうしたらいいのか?

三島郡島本町、水無瀬より投稿しています

今回もご訪問頂きありがとうございます。

今回は体の基礎的な部分で大切な免疫力について書きたいと思います。

これまで「コロナ禍での健康アドバイス」として沢山の記事を書いて来ましたが、免疫力と言うタイトルで書くのは初めてかも知れません。

コロナ禍で免疫力アップの方法について興味を持たれた方は多いと思います。

免疫力を高める経穴(ツボ)については書いたことがありますので、興味のある方は覗いて下さい。

免疫力を高める経穴(ツボ)

免疫の基礎知識

一言で免疫を表現すると、免疫とは「自己」と「非自己」の分別のことです。

「自己」と「非自己」を区別するには,何か目印が必要なのです。「非自己」には「自己」にない何かがあるから「非自己」だとわかる。

簡単に言えば「自分のもの」じゃない「異物」だと感じたら、その「異物」を分かるようにしたいって事です。

実際には自然免疫と獲得免疫とがあります。

人間が生きていく間に獲得する免疫能力が「獲得免疫」です。

先ずは「獲得免疫」から簡単に説明していきます。

新しく何かが入ってくる場合「自己」と「非自己」を区別するためには目印が必要ですよね。

一目で「これは自分のじゃない」って分かる目印です。その「目印」が抗原(antigen)と言われています。

「目印」を貼られた物質は「異物」ですよね。それは取り除か無くちゃなりません。

その仕事をする免疫系の中心となっている細胞がリンパ球です。

リンパ球がどうやって「これは自分のものじゃない」を判断するのか?絵にすると分かると思います。

リンパ球チェックの図

「非自己」の抗原とぴったり嚙み合う鍵と鍵穴の関係のような構造を持っているのがリンパ球なのです。

この鍵穴に合う構造を抗原レセプターと言います。

リンパ球は異物だと認識したものの形を真似して作るのが得意なんです。

上手く出来ていて、リンパ球1個にレセプターは1個なんです。

だから、異物だと確認したら自らを犠牲にする覚悟で戦ってくれます。

正常の場合はどんなに沢山の異物が入ろうと、リンパ球はその異物を「非自己」だと判断出来ると言われています。

免疫力とは、病原生物が体内に侵入してきても、病気にならないように備わっている防衛機能のことだと思って下さい。

母親の初乳などを飲むことで備わったりする場合も有りますが、生まれつき備わってるものを「自然免疫」

感染経験を積んで備わった免疫能力を「獲得免疫」と呼んでいます。

皮膚のバリア

上記で述べたのは身体の中に侵入させてしまった場合の話でした。

実際はその前の段階で防げるものも有りあます。

第1段階として、皮膚と粘膜で体内に病原体が入らないようにしています。

これが「皮膚バリア」と言われる人体最大のバリアです。

バリアは一つだけではなく、3つのバリアが有ります。

物理的なバリアは、汗をかいたり、皮膚の入れ替わりによって角質細胞が落屑(らくせつ)したりすることで、病原体が繁殖しないようにすることです。
※落屑:はがれおちること

微生物的バリアは、皮膚に存在する常在細菌(表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、コリネ型細菌など)が皮膚表面のバランスを保って、特定の菌が繁殖しにくいようになっているバリアです。

化学的なバリアは、皮脂に含まれる脂肪酸や乳酸によって皮膚表面を弱酸性に保っている抗菌作用のことです。

自然免疫

自然免疫とは、体内に異物が入ってきたら真っ先に駆けつけて戦ってくれる免疫機能で、顆粒球、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞などがあります。

※マクロファージ:白血球の1種。 生体内をアメーバ様運動する遊走性の食細胞です。
死んだ細胞やその破片、体内に生じた変性物質や侵入した細菌などの異物を捕食して消化し、清掃屋の役割を果たします。とくに、外傷や炎症の際に活躍します。

この自然免疫だけでは対応出来なくなると、先に述べた獲得免疫の出番となるのです。

先に異物と戦ってくれた自然免疫の一つである樹状細胞は、異物に目印をつけて獲得免疫に敵だと分かるようにしてくれます。

そこまでしてもらったら、後はリンパ球が鍵穴と鍵の関係で我々の身体を防御してくれます。

運動との関係

「免疫力と運動」の関係をみていきましょう。

●運動強度,頻度と上気道感染症の発症頻度 (J カーブ現象 )

詳しくは文献をご確認下さい
感染症における運動との関係

上図に示すように、適度な運動をしていると感染症にかかるリスクが減り、過度な運動や運動不足では感染症にかかるリスクが高くなってる事が分かると思います。

適度な運動を行うと、NK細胞の活性化やリンパ球の増殖、マクロファージ機能の向上などの効果があると報告されています。

簡単に言えば、適度な運動を行うと外部から異物(非自己)が侵入しても感染症になりにくいって事です。

一方で、過度な運動をしてしまうと、免疫機能を低下させてしまいます。

激しいトレーニングを継続しているスポーツ選手は、風邪などにかかりやすいと言う事実が有ります。

だから、スポーツ選手にとっては体調管理が必須なのです。

過度な運動によって分泌されるホルモンや抗炎症性物質が免疫細胞の機能を抑制したり、免疫細胞のエネルギー源となるグルタミンというアミノ酸が減ってしまったりすることで、感染のリスクが高まるのです。

●どのくらいが適度な運動なの?

どの程度の運動が「適度」なのかが分からいと思いますので、分かりやすい運動の目安を書いておきます。

会話が出来る程度の強度の運動を、1回20~60分行う程度なら、免疫機能を低下させないと言われています。

以前にも運動の頻度に関しては文献に基づいて記載したことがあります。

HHS(米保健福祉省)が出した指針で推奨されている運動時間

中強度の運動を週150~300分  OR   激しい有酸素運動や、激しい運動と中強度の運動の組み合わせを週75~150分

一週間に3日ウォーキングすると考えると、一日に1時間~1時間半が目安になると思います。

話題のニュース

 

◆最後に◆

免疫とは体内に侵入した異物から身体を守るために、攻撃するシステムです。

異物は身体に悪影響を及ぼすウイルスや細菌のこと!免疫は異物を見つけ次第攻撃して身体を守る役割をしています。

鍼灸治療で免疫に関わる細胞が活性化されることが研究により分かっています。

免疫に関わる細胞が活性化することで、体内でコロナウイルスに対抗する力がより強くなると言う事です。

お灸が身体に与える科学的な影響としての報告としては、マクロファージの活性化があげられます。

このマクロファージがお灸施術直後と5日後に活性化すると言う事が研究で明らかになっています。

お灸をすることでマクロファージが活発に活動する。これが、体内の免疫機能をアップする効果が有ると言われる要因です。

※当院でもコロナ対策としてお灸を中心とした東洋医学の治療を行っています。


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