外旋六筋について

三島郡島本町、水無瀬より投稿しています

ジムでトレーニングをしている方が、当院に来られて「外旋六筋を鍛える運動を教えて下さい」と言われました。
そのためには外旋六筋の役割をしっかり理解する必要があります。
大腿骨頭(ボールの部分)を臼蓋(受け皿)に向かって押し付ける方向へ力が働くので、股関節の安定性を高める重要な働きがあります。スポーツの中の動作では下半身をしっかりさせると、上半身に強い力を生み出すことが出来ます。そのために、外旋六筋をトレーニングするのだと思います。
よく知られているは外旋六筋の「梨状筋」ですね。この筋肉は長く座ったり使い過ぎたりすると柔軟性が低下します。直下には坐骨神経痛が通っていますので、圧迫が長く続くと神経痛を発症します。
筋肉は使いすぎでも使わなさすぎでも、筋力のパフォーマンス能力が低下してしまうので、柔軟性も保ち、関節や筋肉が動く範囲をしっかりと動かしてあげることが大切です。

 

骨盤

骨盤の名称

筋肉の説明の前に骨盤の位置関係をチェックしましょう。

外旋六筋

外旋六筋の図

梨状筋症候群について

梨状筋の筋緊張が、殿部から下肢への痛みを引き起こすことがあります。これは梨状筋によって並走する坐骨神経(図のオレンジ線)が圧迫されることによって生じることが多いです。この痛みは股関節の他動的な内旋で梨状筋を伸長したり、外旋に力を入れ梨状筋を収縮させると増悪します。

内閉鎖筋は、大腿方形筋と並び強力に股関節を外旋させる筋です。殿筋群が上にかぶっているため触診することはできません。

上・下双子筋は、坐骨棘や小坐骨切痕を起始部とする上部を「上双子筋」そして、坐骨結節を起始部とする下部を「下双子筋」と分けて呼ぶこともあります。殿筋の深部に位置して、内閉鎖筋の上下端に密着しているためにこの筋肉も触診ができません。

大腿方形筋は股関節外旋筋群の中で最も下方に位置しており、股関節外旋に強力に作用する筋です。殿筋群が上にがぶっていますので触診することができません。

トレーニング

外旋筋群のトレーニング

大殿筋が基本的には股関節の外旋筋ですが、小さな筋群である外旋六筋の筋力低下やショートニング(短縮)が問題になることもあります。

坐骨神経痛のツボ

坐骨神経痛のツボ

外旋六筋絡みで、坐骨神経痛の方が来院することもあります。

鍼灸では坐骨神経痛の時に良く使うツボがありますので、合わせて紹介してみました。

●先ずは殿筋よりも外旋六筋のトレーニング

積極的に外旋六筋のストレッチをしっかり行って、トレーニングすることで動きやすい股関節を手に入れることが出来ると思います。股関節が使える様になってくると、殿筋(お尻の筋肉)に刺激が入りやすくなります。
お尻の筋肉をしっかりさせる運動を長くしても、なかなか効果が上がらないなんてことはよくあります。
そんなときは最初にお尻よりも深層にある外旋六筋を鍛えて、股関節をうまく使えるようにした方が良い結果を得られることが多いです。
その人その人に合った運動方法が大切です。当院ではその人に合った運動メニューをお渡ししています。

梨状筋ストレッチ

梨状筋は機能障害が分かりやすく、取り上げられることが多い筋肉です。

梨状筋症候群として個別にストレッチやトレーニングをすることが良くあります。

自宅で簡単に出来る梨状筋のストレッチ方法を紹介していますが、このストレッチも体が硬い場合はなかなかうまく梨状筋が伸ばせない場合もあります。

そんな時は理学療法士などの専門家に相談することをオススメします。

◆最後に◆

鍼、灸、ツボ押し、マッサージは体のバランスを整え、健康に向かわせる力があります。

鍼の形状や、お灸の品質も上がり、熟練した技術があれば痛みや跡が残るなどという事もありません。

小さな前兆を見逃さず、早いうちに病気の予見をして身心のバランスを整え、毎日を健康に過ごすことができます。

あなたの健康で豊かな暮らしを当院が全力でサポートいたします。

 

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